|
洗練された物語が鮮やかに奏でるファンタジーRPG
常にゲームの面白さの本質を追い求めるファルコムの姿勢は、「物語る意志」をコンセプトに従来の形式にとらわれることのない一つの新たなRPGのスタイルを生み出しました。徹底して細やかな設定が施された世界から紡ぎだされる洗練された物語は、さらに定評あるファルコム独自の演出が媒介することで小説や映画にもない不思議な魅力のあるリアリティ、臨場感を伴ったものとなりました。
人の営みの温かさや苦難、自然の美しさや厳しさ、そんなものまでもが旅を通して肌で感じ取ることができる、「白き魔女」にはそんな魅力があります。それまでの物語を演出するどのメディアにも属さない独特の雰囲気をもったこの「白き魔女」は"詩うRPG"と銘打って送り出され、非常に多くの方から支持を受けました。
|
「白き魔女」は日本ファルコムの作品の中でも特に人気の高い英雄伝説シリーズの第三作目にあたりますが、前作の「英雄伝説」や「英雄伝説II」とは世界も主人公も異なった物語で、すでに発売されている「英雄伝説IV -朱紅い雫-」や「英雄伝説V -海の檻歌-」と接点を持つ作品となっています。それだけに第二期英雄伝説シリーズの一作目ということもできるでしょう。「白き魔女」の特徴を一言でいうと、ゲームを支えるグラフィック、フィールドマップ、サウンド、戦闘システム、イベントの演出といった要素全ての目的が徹底して物語を楽しませるという一点に集約されているということに尽きるでしょう。こういうとありがちなシナリオ重視型のRPGと受け取られてしまうかもしれませんが、決してそれだけに終わらない魅力が「白き魔女」にはあります。
「新・英雄伝説III〜白き魔女〜」では評価の高かったオリジナルのPC98版の雰囲気を継承しつつ様々な面が強化されました。オープニングやイベントシーンの一部には3DによるCGムービーが挿入され、物語の演出により彩りを添えています。またフィールドでの高さの概念を完全に実現したマップのグラフィックはより鮮明に描き直され、様々な効果音を追加するとともに物語に非常にマッチしたことで話題となったBGMも大幅に強化、Windows95/98ならではの表現や要素が数多く追加されました。物語の根幹とも言える世界ティラスイールがWindowsの画面で鮮やかに広がり、プレイヤーのあなたをいざないます。英伝IIIの大きな特徴のひとつである旅の臨場感がさらに深く味わえるでしょう。PC98版発売時には圧倒的なデータ量が話題になりましたが、今回も負けず劣らずにCD-ROM2枚での登場となりました。
※現在はDVD-ROM1枚のコンパクトサイズ普及版での発売となっています。
すでに「白き魔女」をプレイしたことのある方は気になっているかもしれませんが、戦闘システムにも大きな変更が加えられています。オリジナルのDBS(ディレクションバトルシステム)の良さを残しながら、キャラクターたちがより状況にあった行動をとれるように細かい命令が与えられるよう改良されています。インターフェースも変更され、アイコンによって簡単に命令を切り換えることができるようになりました。これによってよりスムーズでスリリングな戦闘を楽しむことができます。
プレイヤーはあらかじめ行動する範囲、「攻撃(魔法)・防御・援護魔法・オート」から行動をキャラクターごとに決定します。敵と遭遇するとその設定に従ってキャラクターたちが戦闘を開始します。戦況が変化し、「このままでは危ないな」とか「もっと効果的な攻め方があるはず」と思ったら即座にアイコンひとつで行動を変更し、キャラクターたちに指示を与えることができます。より戦況がアクティブでリアルタイム性が増したものとなり、スピーディな戦闘を展開することが可能です。
|
|
|
主人公のジュリオ、クリスはどこにでもいるような少年少女で村の慣習に従って成人の儀式である巡礼の旅にでます。二人は各地のシャリネと呼ばれる祠を巡礼し、最終的に聖地オルドスを目指します。この二人をはじめとするメインキャラクターはもちろん、ゲーム中に登場するキャラクターは町の通行人にいたるまで丁寧な設定が行われ、そのセリフの一言一言にも細心の注意が払われました。背景となるティラスイールの世界設定にも余念がありません。本編に絡む絡まないを別にティラスイールのそれぞれの地方ごとに特色を非常に細やかに設定し、街並みや景色、人の会話やその生活を始め、画面の端々に実に細やかな演出がにちりばめられています。ジュリオやクリスと共に旅をしてもらうと、舞台であるティラスイールという世界が確かにあり、全ての登場人物たちの営みがそこにあることが感じ取れるでしょう。「白き魔女」の物語はこの綿密に練られた世界を背景に展開され、プレイヤーはあたかも実際に旅をしているような臨場感を味わえます。
序章からプレイヤーに息もつかせないストーリーは膨大なテキスト量をも全く苦痛に感じさせることなくプレイヤーを世界に否応なしに引き込んでいきます。シナリオ重視のRPGをやるぐらいなら小説や映画をみればいいのでは?と思われている方もいるかもしれません。しかしゲームというメディアの特性、「インタラクティブであること」を最大限に生かしつつ物語る姿勢を貫いたのが「白き魔女」です。小説にもなく、映画にもないエンターテイメントを求めて、物語を魅せるためのひとつの新しいジャンルを目指しゲームを昇華させた作品と言えるでしょう。そしてこの試みは非常に多くの人たちの反響を呼びました。特に洗練された世界観と物語の演出はひたすら感動的であると絶賛されるとともに多くの賞を獲得するまでに至り、そのスタイルは英雄伝説Vにまで引き継がれています。
|
|
|
Copyright (C)1999 Nihon Falcom Corp. All Rights Reserved.
[ TOP ] [ FEATURES ] [ CHARACTERS ] [ A VISIT ] [ THE BATTLE ]
[ REVIEW ] [ APPENDIX ] [ MAIL-ORDER ] [ SUPPORT ]
. |
|