この和国には、遙かな大昔より、人ならざる異形の者どもが存在していた。古来より「霊」や「精霊」、あるいは「式」などと呼ばれ、様々な言い伝えや伝承として語られてきたものがそれである。彼らは元々この世界に於ける実体を持ってはおらず、何らかの物を媒体としなければ、この世に発現することができなかったと伝えられている。この特性に気付いた太古の人々は、「幻灯器」と呼ばれる力ある呪具に封じることで「召喚」し、行使することを発明した。そして「幻灯器」によって召喚された異形の者どもを、総称して「幻魔」と呼ぶようになった。 これは現在その存在が確認されている幻魔の、各地に残る様々な伝承や逸話を集め、記録したものである。
|