洗練された物語が鮮やかに奏でるファンタジーRPG
![]() 主人公のジュリオ、クリスはどこにでもいるような少年少女で村の慣習に従って成人の儀式である巡礼の旅にでます。二人は各地のシャリネと呼ばれる祠を巡礼し、最終的に聖地オルドスを目指します。この二人をはじめとするメインキャラクターはもちろん、ゲーム中に登場するキャラクターは町の通行人にいたるまで丁寧な設定が行われ、そのセリフの一言一言にも細心の注意が払われました。背景となるティラスイールの世界設定にも余念がありません。本編に絡む絡まないを別にティラスイールのそれぞれの地方ごとに特色を非常に細やかに設定し、街並みや景色、人の会話やその生活を始め、画面の端々に実に細やかな演出がにちりばめられています。ジュリオやクリスと共に旅をしてもらうと、舞台であるティラスイールという世界が確かにあり、全ての登場人物たちの営みがそこにあることが感じ取れるでしょう。「白き魔女」の物語はこの綿密に練られた世界を背景に展開され、プレイヤーはあたかも実際に旅をしているような臨場感を味わえます。 ![]() 序章からプレイヤーに息もつかせないストーリーは膨大なテキスト量をも全く苦痛に感じさせることなくプレイヤーを世界に否応なしに引き込んでいきます。シナリオ重視のRPGをやるぐらいなら小説や映画をみればいいのでは?と思われている方もいるかもしれません。しかしゲームというメディアの特性、「インタラクティブであること」を最大限に生かしつつ物語る姿勢を貫いたのが「白き魔女」です。小説にもなく、映画にもないエンターテイメントを求めて、物語を魅せるためのひとつの新しいジャンルを目指しゲームを昇華させた作品と言えるでしょう。そしてこの試みは非常に多くの人たちの反響を呼びました。特に洗練された世界観と物語の演出はひたすら感動的であると絶賛されるとともに多くの賞を獲得するまでに至り、そのスタイルは英雄伝説Vにまで引き継がれています。
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