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代表インタビュー

1981年の創業以来、コンピュータゲームの発展とともに歩んできた日本ファルコム。 長い歴史を持ちながら失われないベンチャー精神。そんなところが長く多くの方に支持される理由なのかもしれません。 ファルコムのリーダー近藤季洋に日本ファルコムという会社について、そして新卒入社10年で代表取締役社長に就任した自身の軌跡を語ってもらいました。

社長から皆さまへのご挨拶をお願いします。

日本ファルコムは、2019年3月に創立38周年を迎え、2018年12月には上場15周年となりました。これも長年にわたって、ゲームユーザーの皆様の支持をいただいてきた結果であると考えています。

2013年の国税庁の調査によると、日本の全法人数は約260万社。その内、大企業も含めて、黒字企業は29.1%。残り70.9%が赤字だそうです。 また、倒産や解散などによって、法人設立後3年で35%、5年で85%の企業が消え、10年以上存続できるのは6.3%。 20年続く企業は0.3%、1000社に3社。30年存続では0.025%、1万社に2.5社とも言われています。

ファルコムは創業以来、一度も赤字を出したことがありません。借金もしたことがありません。 こういうことからもお解りいただけるかと思いますが、ファルコムは、スタッフが思う存分腕を揮うためには、安定した環境が必須だと考えています。 安心して仕事に集中し力を発揮することは、自己実現、達成感、充足感に繋がっていきます。 企業の最も重要な財産である「人」を大切にしたいとの思いから、盤石な土台作りと維持を経営の根幹に置いています。 この堅実さが30年以上ゲームを作り続けてこられた理由のひとつでもあると思っています。

こういった経営方針は、時に「地味」と揶揄されたりもするのですが、音楽フリー宣言のような挑戦的な試みや、ライセンスビジネスを通した 様々な業種との交流や共同制作など、ファルコム自らの可能性を広げる活動も積極的に行っています。

最近は、ソーシャルゲームなども加わり、大量のゲームが日々消費され忘れ去られていきます。 そういう状況の中で、僕たちファルコムの作るゲームを楽しみに待っていてくれる方が確実にいらっしゃるということ。 これこそがファルコムならでは強みだと思っています。 この「強み」を、僕は、ファルコムとプレイしてくれたお客様との間に育まれてきた「キズナ」と感じています。

一朝一夕には築けない「キズナ」=「ファルコム」というブランドへの信頼。このかけがえのない「信頼」を大切にしていきたい。

より太くより強固な「キズナ」をお客様と結べるゲーム作りを今後も貫いていきたいと思います。

近藤社長とファルコムの出会い

社長がファルコムを知ることになったきっかけは何ですか?

昔からゲームは好きで、いろんなゲームを子供の頃からよく遊んできたので、ファルコムという会社の名前はいつの間にか知っていましたね。

では、初めてプレイしたファルコムのゲームは?

「英雄伝説III白き魔女」です。初版のパソコンPC-98版です。 今、この初版をプレイするのはむずかしいですが、Windows版「英雄伝説III白き魔女」(パッケージ版/ダウンロード版)、 PSP版「英雄伝説ガガーブトリロジー白き魔女」(バンダイ)が発売されていますので、ぜひプレイしてみてください。ちなみに、Windows版「英雄伝説III白き魔女」は、僕が初めてゲーム制作に関わった作品です。

「白き魔女」をプレイしたのは何歳ぐらいの時でしたか?

大学生のときです。子供の時からファルコムという名前は知っていましたが、ゲームをプレイしたことはありませんでした。

きっかけは?

「英雄伝説III白き魔女」を手にしたきっかけは大学で入ったゼミなんです。

大学では経済学部に在籍していたのですが、将来自分のしたいことがまだ見えていませんでした。 とりあえず銀行関係の就職に有利そうなゼミにでも入っておこうかなと思っていた時期に、たまたまインターネットの研究をしているゼミの広告を見つけたんです。 聞きなれないけど、ちょっとカッコ良さげな「インターネット」っていうカタカナ語と、「これからの時代、爆発的に広がっていくメディアになるだろう」っていうキャッチコピーに惹かれて、「これだっ!!」って思わず飛びついてしまいました(笑)

で、そのゼミに入るにはパソコンが必要だったので、パソコンを購入したんです。したんですけど、パソコンを何に使うのか、あの時はほとんどわかっていませんでしたね(笑)。 「買ったはいいけど何しよう?」って感じでパソコンショップに行ってみたらファルコムのゲームソフトがたくさん並んでて、「とりあえずゲームをやってみよう」ということで、あの頃、一番人気が高かった「白き魔女」を購入したんです。

プレイしてどうでしたか?

衝撃的でした。
シナリオと音楽、グラフィック…どれも素晴らしくて感銘を受けました。

それでファルコムに就職しようと思ったんですね?

いや、全然思いません。
ゲームは好きでしたけど、作りたいとかゲーム会社に就職したいとか全くなかったですね。というか、ゲーム制作に携わるという発想がそもそもなかったです。

それがどうしてファルコムに就職することになったのでしょう?

ちょうどブラウザが普及し始めた時期で、インターネットゼミでホームページを作る課題が出たんです。何を作ろうか考えていた時に、傍にあった「白き魔女」が目に入って。ファンサイトを作ってみたんですよ。公開したらどんどん人が集まるようになって、結果、ファルコムファンサイトの中でも人気の高いサイトに成長しまして。

サイトオープンから1~2年後くらいには、オフ会というのも流行りだしていて、自分のファンサイトでもオフ会をやったんです。 そのオフ会に参加するみなさんが非常に熱心でね。高校生からおっさんまで、様々な方が集まってファルコムについて本当に熱心に語るんです。そうそう、現役のゲームディレクターという方もいました。そういうみなさんの熱いお話を聞いているうちに、ファルコムとはどういう会社なんだろうと興味を持ったのがはじまりですね。

他のゲーム会社に就職しようとは思わなかったのですか?

思いました。

でも、自分が立ち上げたファンサイトがファルコムのゲームのものでしたし、ファルコムファンの方々と日々接しているので、ファルコムという会社についての情報が一番自然に耳に入ってきましたし、そういった環境だったので、やはり第1志望はファルコムでした。作っているゲームの内容がオリジナリティがあって、コンテンツの内容が自分のセンスに合ってるように感じていたことも大きかったです。

インターネットが普及されたばかりで、企業もまだポツポツとホームページを立ち上げ始めたような頃でしたが、ファルコムはかなり早い時期からしっかりしたホームページを公開していて、こういう仕事なら手伝えるんじゃないかなぁと思って、思い切って応募しました。

それから9年。 さまざまな経緯を経て今ここにこうしています。

次のページでは近藤社長から見たファルコムの魅力に迫ります!

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