だがここに、特異な存在がある。 ——ネイティアル(純粋なるもの)。 単一の要素のみで構成された精霊である。
ネイティアルは意志を持たず、 召喚した者が自由に操ることができた。 それゆえに、召喚を行う者をマスターと呼ぶようになった。
精霊使い(マスター)たちは、まだ ネイティアルの本当の扱い方を知らなかった。
ネイティアルは、4つの要素の本質を受け継いでいる。 「地」は「水」を取り込み、 「水」は「火」の勢いを弱め、 「火」は「天」を焼き焦がし、 「天」は「地」を覆い隠す。
やがて、一部の者たちは気づく。 ネイティアルの性質は、世界の真理そのものではないか。 ネイティアルを真に識り、操る者—— それこそが大陸を治める覇者、VantageMasterなのではないかと。
魔導文明が数百年続いた世界で、 ネイティアルマスターたちの戦いが始まる。
召喚具と呼ばれる道具に精神力の高い術士が思念を込めると、要素の本質が実体化し、次第に秘められていた姿が現れる。そうして呼び出されるのがネイティアルである。
ネイティアルは世界の成り立ちを映し出したものであり、人と共に、この魔導文明を歩んできた存在である。
ネイティアルを召喚し、自在に操る者たちの総称。
ネイティアルを構成する4つの要素を熟知し、その法則に従って彼らを使役することができる。ネイティアルの力を借りた職につく者が多く、運び屋や技師、研究者、哲学者、軍人など多種に渡る。
自然界に存在する力を引き出せるため、彼らネイティアルマスターこそが世界の真理に最も近いのではないかと言われている。
大陸各地を放浪し、ネイティアルを伝える伝説の魔女。現在、ネイティアルマスターとして最も名高い人物の一人である。若い女性の姿をしているが、数十年もの昔からその名が知られていることから、見かけ通りの年齢ではないのかもしれない。
世俗には干渉せず、普段は世捨て人のような生活を送っているため彼女に巡り合うことは難しい。だが入門者を拒むことはなく、望めばどのような者でもネイティアルマスターの道に導くという。
数年前の大戦を収め、大陸にひとまずの平穏をもたらした人物。常に獅子の仮面を被っており、その頭は本当に獅子という噂もあるが、真偽は不明。
元は地方小国家の参謀だが、知略や良識も持ち合わせ、国外の有力者にも一目置く者は多い。その手腕を発揮し、繰り返される大戦に終止符を打ったため、稀代の英雄との呼び声も高い。
彼もまた、メルレットの下でネイティアルを覚えたと言われている。その卓越した才能は天賦のものであり、現在では、大陸最強のネイティアルマスターとまで呼ばれている。