オーウェル湖に霧がかかると、
突如湖面に姿を現す謎の古城---。
<奇岩城>
その正体を確かめようと、城を目指す者が後を絶たないが、
船で近づこうとすると、決まって幻のように
その姿は消えてしまうという。
騎士が没落しつつあった時代、
主君を失い、騎士としての己のあり方を見出せずにいた青年は
知己の少女に誘われるまま各地を旅し、
とある町を訪れることになった。
町へと向かう舟の上、
青年は霧の中に浮かび上がる、その<城>を見た。
その城と、そこで待ち受ける運命が
彼にとってどのような意味を持つのか、何も知らぬままに。 |