■イッチー
「そこまでだ!」 闇夜を切り裂く鋭い声が響き渡る。 「な、何者だ!?」 呼ばれた者達は慌てて周りを見渡し、 「き、貴様はシルバリオン!」 銀色の鎧のようなスーツと仮面を身に纏い、 「お前達の行っている武器の密輸、その行為を 突きつけた指に、犯罪者達が思わず慄く。 「お、お前ら何ビビッてやがる!相手は一人だ! その合図と共に部下達が導力式機関銃を一斉射撃。 「なっ!」 その事実に驚愕する間もなく、近くの相手に一瞬にして 「後は、お前だけだ!観念しろ!」 残されたボスはその状況に愕然とし、手に持っていた 「…もう、…これ、しか…」 ポケットから一粒の何かを取り出した。 「その薬は!?」 ボスは『それ』を飲み込むと、次第に体を震わせ、 「ウオオオォォォォン!」 そこにいたのはもう人間ではなかった。 「くっ、お前は『教団』と繋がってたのか!」 もう一度吼えると、先程のシルバリオンと 「っ!」 咄嗟に両腕で相手の牙を防ぐが、その牙は 「魔に身を堕した者は、もう人間には戻れない。 その時、赤き血が流れる両腕が光ると同時に 「トンファーレイブレードォ!」 シルバリオンの両腕その側面から 「必殺!クロス!」 相手の体を、左の輝刃で切り上げ、右の輝刃で切り下げながら 「ブレイク!」 両腕を後ろに突き出し、切っ先を突き刺した。 「『デモンズ』教団!絶対、許さないからなぁー!!」 この物語は、一人の悲しい復讐劇なのである。 |