■ヒノっち
「ではロイドさん。早速ですがみっしぃに関する言葉
使いを教えます」
「…ああ頼むよ」
「…えい!!」
ティオが極小ダイヤモンドダストをぶつけてきた。
「冷た!!」
「ロイドさん。やる気あるんですか?みっしぃは語尾
がみしで終わるんですよ。徹底してほしいです」
と言いながら怖い顔で睨みつける。
「わ、わかった…みし」
事の発端は30分前。
「着ぐるみの人が皆食中毒ですか!?」
約束のミシュラムにティオと来ていた時偶然ベンチ
にいたぺルさんと会ったのだった。
「確かにみっしぃが居ないとは思ってましたが」
「そうなのですの。だから今日だけやってもらえない
かしら?」
「いや…でも」
ティオとの約束がと思いティオを見ると何やら自分
に熱い視線を送っていた。
「…ティオさん?」
「ロイドさん、やりますよね?」
「いやでも…」
「や・り・ま・す・よ・ね?」
で今に至る。
「でも基本的に入口でお客さんに対応するだけなんだ
けど…みし」
「しかし徹底しておくに越したことはないかと。あと
、みっしぃはオレじゃなくてボクなのでお間違いなく」
「ああわかった…みし」
とんだ事に巻き込まれちゃったなあ。でも
「ティオ良かったのか?せっかくの休みだったのに。
これじゃティオが暇になっちゃうじゃないか」
「それは大丈夫です。ぺルさんが暇にならないように
私にセキュリティ強化の作業を手伝わせてくれるそう
ですから」
マリアぺルさん徹底してるな。ほとほと感心する。
「では子供の夢を壊さないように頑張ってください」
「…ああ」
「あ〜みっしぃだ」
「いらっしゃいでみし」
「本物だ〜」
「そうでみしよ」
「写真とって〜!!」
「いいでみしよ」
「中にもみっしぃいるの?」
「後で僕が園内に入るかも知れないみし」
「ねえねえロイド見なかった?」
「見てないでみしね」
「つ…疲れた」
やっと終わった。誰かに俺の事聞かれたような気がし
たし閉館間近にエリィとランディとキーアが出てきたよ
うな気がしたが…まあ気のせいだろう。
「お疲れ様でしたわ」
「お疲れ様ですロイドさん」
と二人が入っていきた。
「うん。ティオもお疲れ」
返事をして気付いたがティオの服が何故か売り子の
服装になっていた。
「あれ?その服…」
「ティオさん。仕事がはやく終わったんですけど一人
で見るのはあれだと言って手伝ってくださいましたの」
「ティオ?」
何故かティオが黙ってしまった。
「ええと…ティオさん?」
「その…一人で回っては約束が…」
「え?」
「ふむふむ…なるほどですの。どうも私は今回デート
の邪魔をしてしまったようですわね」
「えっ!?」
「私とした事が何という失態…ではお詫びと言っては
何ですが最高級ホテルのワンベッドルームを用意させて
いただきますわ」
「ええ!?」
「いえ、明日は業務がありますし謹んでお断りさせて
もらいます」
とティオはきっぱり断った。 |