■ティム3
【タイトル】 |
ガールズトーク! |
【作者】 |
ティム3 |
月が笑う。星が歌う。今宵は武骨な男も、乙女心をく
み取らない粗野な男もいない。乙女だけが分かち合う楽
しみと少しの秘密が入り混じる、気心知れた女の子が集
う会。それは—。
「女子会ってやっぱいいわねー!ね?シェラ姉!」
「エステル、あんたさっきから食べてばかりじゃない
の。」
「あ!ていうか、エステルちゃんの鞄に付いてるのは、
ボース市限定のご当地ベアストラップ?!」
「こないだスニーカー買ったら、おまけで貰ったの。ア
ネラスさん、よかったらいる?」
「ほんと?!これ欲しかったんだあ!エステルちゃん、
ありがとうね!」
「あんたも年頃だから、ぬいぐるみだけじゃなくて、恋
人の一人や二人作ったほうがいいんじゃないの?」
「ねえ、アネラスさんはやっぱクルツさんみたいな感じ
がタイプとか?」
「うーん、クルツ先輩は頼れるし、オトナって感じだけ
ど…私は恋人にするならティータちゃんだね!」
「アネラスさん、話が若干それてるんですけど…」
「ティータちゃんと言えば、アガット先輩にはもったい
ないよね。美女と野獣っていうか、あはは!」
「でも意外だったのが、前にアガットと二人で行動した
時、買い物とか身支度とか気にかけてくれたのよ!」
「初対面の印象ではありえないわよね。まさかのイケメ
ンポイントあがるじゃない。」
「イケメンっていったら、レーヴェって人、普通にかっ
こよかったよね!あれは相当モテるタイプだよ。」
「あーそれ私もそう思ったわ。」
「そんなこと言うけど、シェラ姉にはオリビエがいるじ
ゃない?」
「あれはただの飲み仲間よ。まあ、黙っていたら、それ
こそイケメンだと思うけどね…」
「オリビエは、あの空気の読まなささというか、3枚目
な感じがアレよね。残念なイケメンっていうか。」
「言い得て妙だね!エステルちゃんおもしろいなー!」
「ケビンさんも残念なイケメンかもしれないわね。ギャ
グ、たまにスベってるとことか。」
「でも普段はちょい軽い感じだけど、裏がある感じがな
んというか…流行りのギャップ萌え!?」
「アネラス、あんたマニアックねー。」
「エステルちゃんにとってのイケメンは、ヨシュアくん
だけってことで、聞くまでもないね!」
「なっ…アネラスさん、いきなり何言うのよ…」
「かわいー!エステルちゃん、赤くなってる!」
「でもヨシュアと付き合うのは、意外と大変そうよね。」
「あはは!案外ネガティブな一面もありますよね。」
「でもヨシュアなりに前に進んでいるわ。それに…私が
傍にいるからっていうか…ずっと一緒ってふたりで決め
たから大丈夫っていうか…」
「もー、結局エステルのノロケになっちゃうわけね!」
「エステルちゃんはヨシュアくんのこと、ほんと大好き
なんだねー!」
「よし!今夜はエステルのノロケ話をとことん聞いてあ
げようじゃないの!」
「賛成—!!」
「え!?なんでそうなるのよ?!私、なんか言った
ー!?」
月が笑う。星が歌う。女子たちの夜は更けていく。 |