■佐和
むかしむかし。あるところに、夕日色の髪に、海色の ある日の事。不思議なネコを追いかけるうち、男の子 グルルルル…ッ そのうえ、狼のような魔獣たちが男の子の周りを取り その時。 「さがりなさいッッ!!」 凛とした声が辺りに響き渡ります。 少女はあっという間に魔獣たちを追い払うと、男の子 それからしばらくして。ある夜、寝ていた男の子はふ 「もしかして…スミレ色の、おねえちゃん…?」 その声に、人影が男の子の方を振り返りました。 「こんばんは、おちびさん。よくわたしがいるのに気 「うん、目が覚めたらおねえちゃんがいたの〜。ねえ 「え?」 男の子の質問に、少女はびっくりしたように聞き返し 「おねえちゃんのこと、お父さんとお母さんに話した 「……そうね。そうかもしれないし、そうではないか 「どこに行くの〜?」 「…遠いところよ」 「…もう、会えないの…?」 泣きそうな顔で男の子が聞きます。 「…」 少女は何にも言いませんでした。けれど、その瞳は何 「……おねえちゃん」 「……………ひとつだけ、約束できる?」 「え?」 「わたしがあなたに会いに来た事、内緒にできる?」 それなら、時々。本当に時々だけれど会いに来てあげ 「おねえちゃんは天使だから、会ったことは内緒なの 「…そうよ」 「うん、わかった〜」 男の子がそう答えると、少女はにこっと笑いました。 「それじゃわたしは行くわね」 「うん、またね。おねえちゃん」 「ごきげんよう」 そう、最後に挨拶の言葉を残して。ふわりと少女は姿 それから。 そして本当に時折。 今でもあの時の約束のとおり、スミレ色の天使は男の C.ヘイワース |