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■sellen

【タイトル】 オイルライター
【作者】 sellen

 (特務支援課一階)
 セルゲイ課長と支援課の四人は会議デスクを囲
んで座り、今回の作戦方案を考えている。

 「ランディ、ちょっと火を貸せ。」
仕方なくもう火が出ないライターをポケットに
仕舞いセルゲイ課長は自然とタバコをランディの
方に伸ばす。

 「イエッサー!」
エニグマやたくさんの鍵と一緒に、ランディは
早速ライターを取り出す。

 「そういえば、ランディはいつもオイルライター
を持っているな。」
ランディが課長に火をつけてあげるのを見て、
ロイドが言う。

 「オイルライターを持っているのはタバコを吸
うためじゃねーよ。」
ランディは眉毛を揚げて言う。
「クラッシュボムの点火のためだよ、クラッシ
ュボム。」

 「これはフェニックスの模様ですね。」
エリィが困惑そうにライターの表面を見つめる。

 「火を浴びて生まれ変わる、ですか。」
ランディのエニグマの表面にあるセクシーな女性
のデザインを見つめて、ティオが言う。
「ランディさんに似合いませんね。」

 火を浴びて生まれ変わる……か。
そういやぁこのライターって俺ごと課長に拾われ
て、そのまま課長がついでに俺にくれたんだっけ。

 「ハハハ、これ当然俺が買ったものじゃないすっ
よ。」
ふざけた顔でランディが課長に笑いかける。
「そりゃあこんなデザインを選ぶ奴の審美観が悪
すぎるってしか言えねぇよな。」

 まぁ…課長に拾われてから、お前らのようにおも
しろい奴に出会ったけどな。
たぶんお前らと出会った俺は、本当に生まれ変わ
るかもしれない。


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