■青水ユエ
【タイトル】 |
特務支援課の平々凡々な日々 〜起床〜 |
【作者】 |
青水ユエ |
いつも早起きな、我らが支援課のリーダーが珍しく
寝坊している。
そんなわけで起こしにロイドの部屋まで来てみれば、
同じく我らが支援課のアイドル・キーアと揃って
穏やかな寝息を立てていて。
平和そうに眠っている寝顔を見てついつい口元が緩むが
いつまでも見ているわけにもいかない。
「二人とも起きろー、朝だぞー。」
「う〜ん………。」
キーアが目をしょぼしょぼ擦りながら上体を起こす。
そのふわりとしたやわらかい髪を、俺は優しくなでた。
「あ、ランディだ。おはよー。」
「おう、おはよーさん。」
起きたばかりだというのに、眩しいぐらいの笑顔で
こちらを見上げてくる。
う〜ん、朝から癒されるぜ。
そして肝心のリーダーはというと少し身じろぎをした
だけで、まだ覚醒には至っていないらしい。
「ロイド、起きないねー。」
「よぉし、キー坊。ロイドのお腹にダイブだ!」
「わかった! それーっ!」
ドスンという音と共に「ぐっ」とうめき声が上がった。
「おっはよー! ロイド!」
「お、おはよう、キーア。…できれば、ダイブ以外の
方法で起こしてほしかったけど…。」
「最初にちゃんと起きろーって言ったぜ?」
「あ、ランディおはよう。そっか、そんなに深く
眠ってたのか、俺…。」
「もうすぐ朝メシができるから、さっさと準備して
降りてこいよ。ほれ、キー坊も自分の部屋に戻って
着替えるぞ。」
「はーい!」
「悪いな、ランディ。すぐ下に下りるから。」
おう、と返事をしてロイドの部屋を後にする。
一緒に部屋を出たキーアは、ぱたぱたと3階へと
上がっていった。
(………考えてみりゃあ、キー坊といつも一緒に
寝てるんだよな…あいつ。)
ということは、朝目が覚めたら隣にいつもあの笑顔が
あるわけで。
俺的には、朝チュンで半裸のねーちゃんに優し〜く
起こされるのが絶好のシチュエーションなんだが、
キーアの笑顔を真っ先に見られるロイドを少しでも
羨ましいと思ってしまってる辺り、俺も相当な親バカ
なのかもしれない。 |