■クロイ
【タイトル】 |
クローゼとクローディア |
【作者】 |
黒井隆二 |
時は「リベールの異変」から三ヶ月、場所は
王都グランセルにあるグランセル城、時間は朝六時、
クローゼ・リンツの目覚め時間である。ベッドを整えて
髪から始り歯磨きに終わりの日課を終わると、
ノックと共に、
「クローゼ様、おはようございます」
微笑みながら使用人であり友達でありの
メイドに挨拶した。
「おはようございます、シア」
「あ〜使用人の仕事奪わないでください」
シアが言ってるのは整えたのベッドのことでしょう、
と思ったクローゼは苦笑ながら着替えをはじめた。
「慣れたものですから、ごめんなさいね」
「はいはいそうですか、こんな事女官長に
知られたら叱れるのはあたしけどねー」
しばらく談笑した二人はクローゼの着替え
終わったあと、クローゼの一言と共に、
「今日の予定はなに?」
クローディア・フォン・アウスレーゼ
の目覚めであった。
「伯母様とユリアはいない?」
「ええ、今日はツァイスの展示会の開催式で、
さっき親衛隊と一緒にアルセイユ号で
出発しました」
「そうですか…あれ?つまり——?」
「はい、クローディア様は女王代理です」
「へっ?」
クローディアはまったく状況を把握していないの
ような表情であった。
「…もしかして忘れてたの、姫?」
「忘れても何も、こんな事初めて聞いたよっ!?」
「本当ですか?アリシア様はもう伝え済みと
言いましたけど?」
少し記憶を探したあと、姫が深刻な事を
覚えたように顔が真っ白になった。
昨日は政治の授業の日であて、ユリアと
剣術の日もあり、さらに外国の大使の晩餐会があった。
疲れ果ての彼女は部屋に帰るとすぐに着替えて
ベッドに倒れた。そして曖昧な記憶で、
誰かが部屋に入ってなに訳分からない
の事を言ってあと出ていた。
「そんな…無茶すぎます伯母様」
「大丈夫ですよ姫様、みんなはサポートしますから!」
とほほ、と言いくらいのクローディアは
一国のリーダーとして、大広間へ歩き出した。
導力は、私達が住んでいる世界を動くエネルギーの名。
そしてこの力(エネルギー)を操るため、
エプスタイン博士50年前に発明した機械、導力器。
これは私達住んでいる世界の基盤であり、
これは私達が住んでいる世界の基準であり、
これは私達の世界である。
導力は、蒸気より能率的な動力を提供する、
火より安定的なエネルギーを出す、
人より倍的な処理能力を持つ。
新たな発明を産み出す、新たな可能性を照らす。
導力を極めた国家こそ、世界の最前線にある。
導力は、武器であり。遊撃士(ブレイサー)や軍人は
「戦術オーブメント」という導力器。時には
人を守る為に、魔物に向かう。当然———
———欲望を叶う為に、人に向かうこともある。
これは私「クローゼ」として経験した出来事。
今の私、「クローディア」はこれを改善するため
動けている。
誰にも幸せに暮す世界を作るため、闘争を止めたい。
誰にも哀しい事を済ませるの世界、見つけたい。 |