■ 不老長寿の水 ■ この冒険に出る前に、私には書き残しておかなければならないことがある。 と言うのも、今回ばかりは帰ってくる自信がないからだ。 これまで私は数多くの冒険に成功し、戦士として名を馳せ、ペンタウァ王の信頼を得てきた。 今日、『不老長寿の水』を取ってくる大役を仰せつかったのも、私が王国で最も強い戦士だからだ。 しかし。 不老長寿の水があるダンジョンは、人間の身では制覇できないかもしれない。 かのダンジョンには心臓があり、血管が通り、神経のようなものまで巡らされている。 ダンジョン自体が意志を持つひとつの生命体だと言ってよい。 それは、天地創造の神が作った巨大な防犯装置だ。 いずれ死にゆく運命を持つ人間の身で、神の領域である不死の水を盗み出すことなど、許されるのだろうか? それでも私は行かねばならない。 今、ペンタウァの土地が痩せ、作物が実らなくなってしまった。 命を失いつつある大地に生気を取り戻すには、どうしても不老長寿の水が必要だ。たとえ神の怒りを買おうとも。 私の後を追ってくる諸君よ。 この手紙が開かれたということは、私はもうこの世のものではなくなっているようだ。 君たちは、私の代わりに不老長寿の水を手に入れなくてはならない。 君たちがだめなら次の冒険者が、それでもだめならまた次の冒険者が、何としてもこの大役を果たさねばならないのだ。 そこで、私が冒険に出るにあたって準備したことを書き記そう。 以下が成功の理由となるか、失敗の原因になってしまうのか、それはわからない。 だが、後に続く者たちの指針になることは確かだろう。 これを読んでいる諸君もまた、次の者のために記録を残すよう希う。 1.パーティの先頭には罠解除技能を持った者を置く 2.HEAL、CURE、STONE FLESH、MELTの魔法か薬草を必携する 3.EXITの魔法を覚える 4.技の未熟な者は連れて行かない 以上。 君たちこそ、不老長寿の水を持ち帰れる者たちと信じる。 私の後に続く諸君へ 王国の礎となった戦士より |
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