■阿綱
【タイトル】 |
ヨシュア戦記外伝 「白い熊のマドリガル 完結編」 |
【作者】 |
阿綱 |
ユリウス(エステル)&オスカー(クローゼ)
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおお」
白い熊のセシリア姫(ジン)
「駄目」
二人が止めの一撃を放つ瞬間、熊が二人の間に
割って入った。
その瞬間、二人の剣は明らかに加速した。
二人の渾身の一撃が姫の急所に直撃した。
白い熊のセシリア姫(ジン)
「あなた達の決闘なんて見たくありませんでしたが‥
どうしても心配で戦うのを止めてほしくて、
ああ、間に合ってよかった」
ユリウス(エステル)
(くそ、まだ息があるのか)
白い熊のセシリア姫(ジン)
「私に免じてどうか争いは止めて下さい。
皆リーベルを愛している仲間ではありませんか、
ただ少しばかり愛し方が違っただけの事です。
鉄拳制裁で必ず分かりあえるはずデス。
ああ、目がかすんで‥
ねえ、二人ともそばに‥いますか?」
ユリウス(エステル)&オスカー(クローゼ)
「はい、君のそばにいる」
そういいつつも二人とも半径5m以上離れた場所に
退避していた。
白い熊のセシリア姫(ジン)
「私、二人の笑顔が大好き、だからどうか‥
いつも笑っていて」
ユリウス(エステル)
(死ぬ‥もうすぐ死ぬのだな‥ふふふ、
笑いを堪えるのがこんなに大変とは思わなかったよ)
頼まれなくてもすぐにも笑いそうないけないユリウス
(エステル)君であった。
白い熊のセシリア姫(ジン)
「ガク」
ユリウス(エステル)
「姫‥?!‥死んだか?‥死んだのだな」
オスカー(クローゼ)
「よっっしゃぁぁぁぁ!」
ガッツポーズをとってしまういけないオスカー
(クローゼ)君であった。
ユリウス(エステル)
「エイドス大いなる空の女神よ、お喜び申し上げます」
その時、女神が降臨した!
女神の声
「あなた達の勝負、私も見せてもらいました。
中々の勇壮さで実に面白かった。もう一度見てみたい」
ユリウス(エステル)
「へ?」
白い熊のセシリア姫(ジン)
「あら、ここは‥」
その時、熊が復活した!
ユリウス(エステル)&オスカー(クローゼ)
「!!!」
オスカー(クローゼ)
「嘘でしょ姫‥頼むから『死んだ』と言ってくれぇ!」
白い熊のセシリア姫(ジン)
「ふー元気バリバリだぜ、今ならマシンガンで蜂の巣に
されても生きていけるような気がする」
ラドー公爵
「二人は渾身の一撃で姫の命をお止めになったのに‥」
クロード議長
「人はいつも手遅れになってから、作戦の不備に気づく
もの。エイドスよ、お恨み申し上げますぞ」
こうして「白き花のマドリガル」は幕を閉じた。
「ジェニス学園祭の悪夢」として恐れられたこの劇は、
学園の手により黒歴史(なかった事)とされた。
だが、人々の心に決して消える事のない大きな恐怖と
傷痕を残した。
‥‥‥忘れる事のできない物語がある‥‥‥。
完 |