■Mt.RYOYA
陽気の中、不機嫌な男がいた。その名をミュラー。 ——事の発端は昨日。2人は仕事の為に 「この僕を引き立てるには丁度良い人数だね。 と、既に自分に酔ったオリビエが店に入ろうとした時、 「アレ?ナゼ体が動かナいんだろウ?」 その瞬間、彼の前に天使のように 「あらぁ〜オリビエじゃない(ハート)」 完全に出来上がったシェラザードだ。 「逃がさないわよ〜(ハート)」 笑ってはいるが既にオリビエの襟首を掴んでいて、 「だ、誰かお助けぇ〜…」 空しい叫びが響いた。 「あの阿保皇子め…」 ミュラーは放浪皇子が行きそうな居酒屋へ向かった。 「もう…ヤべて、死んじゃう…ああ、 オリビエが遠い眼をして言った。 「悪いがお断りだ」 ミュラーが凄く嫌な顔をして言った。 「そこにいるのは本物のミュラーなのかい!? 「まったく…」 ミュラーはオリビエを介抱しだした。その時、 「誰が帰っていいっつったぁ〜!?」 と泥酔した遊撃士がオリビエの口に 「タスケテ…」 オリビエはダウンした。 「おい!しっかりしろ!!」 焦るミュラーに悪魔が近付いた。 「次はアンタの番よ(ハート)」 「い、いや自分は職務中で…」 「うっさ〜い!!」 そしてミュラーもオリビエと同じ結末を迎えたのだ。 しばらく引きずられていた 「う〜ん…ここは?」 「やっと起きたか。さっさと自分で歩け」 ミュラーの言葉を完全にスルーするオリビエ。 「頭がイタい…ミュラーおぶって(ハート)」 「ふざけたことをぬかしていると居酒屋へぶち込むぞ」 オリビエには分かった。ミュラーはマジだ。 「ゴメンナサイ。ちゃんと歩きます」 「初めからそうしろ、阿保が」 しばらくの沈黙の後、オリビエは言った。 「ねえ」 「なんだ」 「ありがとう、親友」 ミュラーは何も返さなかったが |