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■緑茶

【タイトル】 追懐
【作者】 ハウト・ローランド

 七耀歴1185年・・・・・
私はある町に住んでいた。
両親は共に星杯騎士団で仕事で家を空ける事が多く、
子供の時からいつも父の実家の教会で神父である
祖父とシスターに面倒を貰い、たまに遠くから
遊び来る親戚の女の子リナと遊んだりした。
両親が仕事の休暇で帰ってくると疲れを
一つも見せず、両親は私の遊び相手になってくれたり、
杖を使って戦闘のやり方を厳しく教えてくれた。 
短い休暇の間だけ、私は両親と一緒にいられる事が、
幸せだった。

 そして、私が12歳になった時、悲劇が起きた。

 七耀歴1192年・・・・・
百日戦役と言う痛ましい事件が起きた。
その日、両親は仕事の休暇で帰ってきており、
帝国軍の砲撃が来る前に家族みんなで逃げようとした。
しかし、その砲撃は運悪く自宅に当たり、飛び散った
瓦礫の破片が、私の左目に当たり失明する大怪我をし、
意識を失った。
数時間後、私は遊撃士協会の人達に保護されて
無事だったが、両親は2人共瓦礫の下敷きで
亡くなり、協会にいた祖父とシスターも両親と同じで
瓦礫の下敷きで亡くなった。
家族の亡骸を見た時、私は家族を失ったショックで
言葉を失い泣き崩れた。

 その後・・・・・

私は家族を失った事と失明した左目の傷を癒すため
王都にある母の知り合いに引き取られた。
義父母には子供はおらず、私を我が子同然に
愛情を持って育ててくれた。
失明した左目は、義父の計らいで眼帯を装着し
左目の傷は気にならなくなった。
一年後、講和条約締結により百日戦役は終了し、
戦争が終った事を家族の墓前に報告し、百日戦役で
癒えた傷を完治させた。

 義父母と暮らして3年後・・・・・

 15歳になった時、偶然自宅に来ていた、
実の両親の仕事仲間だった人の勧めで七耀協会に
入信する。
入信してすぐに、私は戦闘、アーティファクトの
回収方法、神父になるための勉強を必死でし、
入信して3年後、戦闘、仕事の実力が認められ、
両親がいた星杯騎士団に入団した。
入団して1年後、アーティファクトの回収中に
不慮の事故で自分の体に聖痕が現れ、その数日後、
守護騎士に任命された。

そして数年後・・・・・

 私は現在も星杯騎士団で仕事をしながら、
守護騎士に任命された後、見習い騎士のルナと言う
彼女に出会い、アーティファクトの回収、
巡回神父の等の仕事、各地の孤児院に回って
ボランティア活動などをルナと共に積極的に
行っている。


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