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■ジネト

【タイトル】 休日inロイド
【作者】 ジネト

「よっと」
一気に竿を上げる。
「うん。トラードだな」
「ロイドすごーい!」
キーアの歓声が上がる。この子は純粋だ。
「今度はもっと大きいのを狙うよ、キーア」
「ほんと〜!?」
そう言って俺は竿を振る。餌はカサギンだ。
俺達は休みを使って、エステルさんたちと間道の湖浅瀬に来ていた。
俺とエステルさんは釣りを楽しんでいる。
キーアは俺についてきた。釣りに少し興味があるみたいだ。
と、その時
「おっと!」
かかった。この強さ、そこそこだ。
「それっ!」
竿の先の魚は、先ほどとは比べ物にならない。
「バイパーヘッド。そこそこの大きさだな」
「すごーいっ!ねーねーロイドー!キーアもやってみたーい!」
「やってみるかい?」
「やるーっ!」
危ないので、餌を小魚用にして、竿を渡す。
「よし、水面に向かって振ってごらん」
「えいっ!」
竿の錘が飛び、水面に小さな波をつくる。
「そのまま、待つんだ」
「じーーっ・・・」
表情はとても真剣だ。
丁度その時、声が聞こえた。
「ロイドく〜んっ!」
「あ、エステルとヨシュア。どうしたんだい?」
別の場所で釣りをしていた二人が、こちらに来た。
「ちょっと様子を見ようかな〜って。あら、キーアちゃんが釣ってるの?」
「そうだよ〜!」
「キーアがやってみたいって言ってね。」
エステルさんの顔がなんとなく嬉しそうだった。
そして、キーアの持っている竿が引っ張られた。獲物がかかったのだ。
「ロイドー!きたよー!」
「よーし!そのまま引っ張り上げるんだ!」
だが、キーアが力を入れても引っ張り上げることはできなかった。
「ロイドくん、これ、大きくない・・・?」
エステルさんの言うとおり、カサギンやエーゼルにしては力が大きすぎる。
「キーア!」
慌ててキーアの持つ竿に手をかける。その感覚は・・・圧倒的に大物だった。
「エステル!」
ヨシュアがエステルさんに声をかけ、キーアを支えた。
「キーア、せーのであげるぞ。いいな?」
「うんっ!」
「せーのっ!」
引き上げた竿にかかっていたのは、タイタンだ。それも、かなりの大物。
「すごーいっ!キーアちゃんすごいね!」
「さっきエステルが釣ったのよりも、大きいね」
二人が称賛の声をあげると、キーアは
「やったー!ロイドに勝ったー!」
と、嬉しそうな声をあげていた。
釣り上げたタイタンを見ると、口の中に。
「なるほど、釣ろうとしていたカサギンを食べようとしたのか。それで・・・」
「ロイドー!キーアの勝ちだよー!」
キーアはとにかく嬉しそうだった。
「あぁ、完敗だな。」
俺がそう言うと
「一番はキーアちゃんに決まりね」
「ボクもこの大きさはすごいと思うよ」
そう二人が言った後、釣り上げた魚を持って、みんなの所へ向かった。
みんなの驚く顔が、目に浮かぶ、そう思いながら・・・。

■ジネト

【タイトル】 休日inランディ
【作者】 ジネト

俺達はエステルちゃんたちと間道の湖浅瀬に来ていた。
ロイドたち釣り組は、釣りをしにに行った。なので・・・
「お嬢、俺たちも弁当を食べますかね?」
「えぇ、そうね・・・。いい景色だから美味しく食べれそうね?」
「ランディさんの場合、食べれればいい気がしますが・・・」
「うっさいぞティオすけ!」
これだけ綺麗な景色だ。いい飯が食えるに決まってる。
「酒臭いとこで食う飯と、自然のにおいがする場所で食べる飯は違うんだぜぇ?」
「・・・ランディさんの口から・・・意外です。」
弁当はお嬢が作っていた。中身は・・・。
「おっ、こりゃすげぇや」
「ふふっ、どうかしら?」
「・・・美味しそうです」
確かに、どれもおいしそうだ。
「ロイドとキーアちゃんの分も残してあげてくださいね?」

丁度食事を終えたところで、ヨアヒム先生が来た。
「おや?皆さんおそろいで」
「あら、ヨアヒム先生」
釣り道具を持っている。この人はまた・・・。
「・・・また、釣りですか」
「これはやめられなくてね。で、ロイド君たちが見当たらないけど・・・」
「ロイドなら向こうで釣ってますよ」
「おや、本当だ。先を越されたかなぁ・・・」
丁度ロイドがキー坊に竿を渡していた。
「お?」
「あら、きっとキーアちゃん、釣った魚を自慢しにくるわよ?」
「・・・楽しみですね」
みんな揃いも揃って親バカだ。俺も人のことは言えないが。
(アイツ・・・キーア様に釣りだと・・・?)
何か変な殺気を感じた気がするが・・・気のせいだ、きっと。
「ところで、仕事はいいんですか?」
「うん?大丈夫。ちゃんと見つからないようにしてきたから」
(((やっぱりサボってるのか・・・)))
「さて、ボクはちょっとロイド君たちに声をかけてこ・・・」
ヨアヒム先生の言葉を遮ったのは
「やはりここか・・・」
アリオスさんだった。
「・・・え?」
「あ、アリオスさん・・・」
「シズクの見舞いに来ていたらヨアヒム先生がまた逃げ出したと聞いてな・・・」
「な・・・、何故だ。確かに見つかってなかったハズだ・・・」
「ともかく。病院に戻ってもらうぞ?」
「あ・・・」ヨアヒム先生はアリオスの手によって連れていかれた。
「み、見逃してくれえぇ〜〜〜〜〜〜!!」
「自業自得ってヤツだな・・・」「えぇ・・・」「・・・まったくです」
先生が連れてかれて、すぐにロイド達は戻ってきた。
「見て〜!見て〜!」
キーアが持っていた魚は・・・デカかった・・・。
「うおっ!?これキー坊が釣ったのか!?」
「・・・大きいです」
「すごいわね〜キーアちゃん」
そう言われてキーアは
「えへへ〜」
とても嬉しそうだ。余程自慢したかったのだろう。
ロイドたちの魚も大きかったが、キー坊のものとは比べるまでもなかった。

今日の夜も、美味しい料理が食える気がする・・・帰り道に、俺はそう思った。


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