■ジネト
俺達はエステルちゃんたちと間道の湖浅瀬に来ていた。
ロイドたち釣り組は、釣りをしにに行った。なので・・・
「お嬢、俺たちも弁当を食べますかね?」
「えぇ、そうね・・・。いい景色だから美味しく食べれそうね?」
「ランディさんの場合、食べれればいい気がしますが・・・」
「うっさいぞティオすけ!」
これだけ綺麗な景色だ。いい飯が食えるに決まってる。
「酒臭いとこで食う飯と、自然のにおいがする場所で食べる飯は違うんだぜぇ?」
「・・・ランディさんの口から・・・意外です。」
弁当はお嬢が作っていた。中身は・・・。
「おっ、こりゃすげぇや」
「ふふっ、どうかしら?」
「・・・美味しそうです」
確かに、どれもおいしそうだ。
「ロイドとキーアちゃんの分も残してあげてくださいね?」
丁度食事を終えたところで、ヨアヒム先生が来た。
「おや?皆さんおそろいで」
「あら、ヨアヒム先生」
釣り道具を持っている。この人はまた・・・。
「・・・また、釣りですか」
「これはやめられなくてね。で、ロイド君たちが見当たらないけど・・・」
「ロイドなら向こうで釣ってますよ」
「おや、本当だ。先を越されたかなぁ・・・」
丁度ロイドがキー坊に竿を渡していた。
「お?」
「あら、きっとキーアちゃん、釣った魚を自慢しにくるわよ?」
「・・・楽しみですね」
みんな揃いも揃って親バカだ。俺も人のことは言えないが。
(アイツ・・・キーア様に釣りだと・・・?)
何か変な殺気を感じた気がするが・・・気のせいだ、きっと。
「ところで、仕事はいいんですか?」
「うん?大丈夫。ちゃんと見つからないようにしてきたから」
(((やっぱりサボってるのか・・・)))
「さて、ボクはちょっとロイド君たちに声をかけてこ・・・」
ヨアヒム先生の言葉を遮ったのは
「やはりここか・・・」
アリオスさんだった。
「・・・え?」
「あ、アリオスさん・・・」
「シズクの見舞いに来ていたらヨアヒム先生がまた逃げ出したと聞いてな・・・」
「な・・・、何故だ。確かに見つかってなかったハズだ・・・」
「ともかく。病院に戻ってもらうぞ?」
「あ・・・」ヨアヒム先生はアリオスの手によって連れていかれた。
「み、見逃してくれえぇ〜〜〜〜〜〜!!」
「自業自得ってヤツだな・・・」「えぇ・・・」「・・・まったくです」
先生が連れてかれて、すぐにロイド達は戻ってきた。
「見て〜!見て〜!」
キーアが持っていた魚は・・・デカかった・・・。
「うおっ!?これキー坊が釣ったのか!?」
「・・・大きいです」
「すごいわね〜キーアちゃん」
そう言われてキーアは
「えへへ〜」
とても嬉しそうだ。余程自慢したかったのだろう。
ロイドたちの魚も大きかったが、キー坊のものとは比べるまでもなかった。
今日の夜も、美味しい料理が食える気がする・・・帰り道に、俺はそう思った。 |