英雄伝説 閃の軌跡IV - THE END OF SAGA -

SEN NO KISEKI ダイジェスト 閃の軌跡II

警告 WARNING

このコンテンツには「英雄伝説 閃の軌跡II」に関する重大なネタバレが含まれています。

外伝「クロスベル占領」

内戦終結から2ヵ月後──
舞台は、予想を上回る早さで帝国軍に無血占領されたクロスベル自治州。

隣国カルバート共和国は帝国の領土拡大を阻止する為、クロスベルへ戦力を投入してきた。

この時、リィンもまた《灰色の騎士》としてクロスベル防衛に参加していたのだった。

そんな激動の中で、新総督府オルキスタワーにて新たな“支配者”による演説が行われた。

オズボーン宰相からの任命で、初代クロスベル総督としてルーファス・アルバレアが就任。

帝国領クロスベル州となる事を高らかに宣言するのだった。

故郷から奪われる自由……この強大な“壁”を乗り越える為、密かに足掻き続ける者達がいた。

クロスベル警察の捜査官──ロイド・バニングス。

そして劇団のアーティストであり伝説の凶手《イン》──リーシャ・マオ。

2人は、クロスベルの機密情報を帝国軍から死守すべく地下へ潜入する。

市内の地下に潜入したロイド達は、《導力ネット》中枢で情報を抜き取ると《初期化ユニット》を設置した。

あとは完了を待つばかり。そう安堵した瞬間、背後から声がかかる。

黒髪の青年と黒衣の少女が、出口を塞ぐように立っていた。

彼らは《要請オーダー》によってロイド達の行動を阻止しに来たのだった。

初期化完了までの時間を稼ぐ為、一歩も引かずに凌ぐロイド達。対する相手の消耗は少ない様子だった。

やがて陰の気を放ち始めた青年。尋常ではない力を感じて身構えた時──

《初期化ユニット》の作業完了を伝えるアラームが鳴り響いた。

黒髪の青年は、プランを変更したように動き始めた。

青年の呼び声に応え、巨大な機体が出現する。

慣れた様子で乗りこむと、圧倒的な太刀の一閃で中枢の端末を破壊してしまった。

次元の違う強さのその機体は、今なお退路を塞いでいる。ところが……

『今回は“痛みわけ”ということにしておきましょう』

選択の余地の無いロイド達は、唇を噛みしめ端末室に背を向ける。

ロイドは去り際に立ち止まると、黒髪の青年へ尋ねた。

『俺はロイド・バニングス──クロスベル警察の捜査官だ。』

『君の名前は?』

『《トールズ士官学院》VII組所属、いや──』

『クロスベル総督府臨時武官、リィン・シュバルツァー。』

……走り去る2人を見届け、リィンは依頼主のレクター特務大尉へ要請の失敗を報告した。

ロイド達を知っている風のレクターは、咎める事も無く了承。

未来を信じて突き進むロイド達の姿に羨ましさを感じつつ、

リィンはクロスベルを去るのだった。