英雄伝説 閃の軌跡IV - THE END OF SAGA -

SEN NO KISEKI ダイジェスト 閃の軌跡III

警告 WARNING

このコンテンツには「英雄伝説 閃の軌跡III」に関する重大なネタバレが含まれています。

第3章「鋼の鼓動〜海都繚乱〜」

──初夏の兆しが見え始め、断続的な小雨が続く6月。

VIII組のアッシュ、IX組のミュゼが、VII組へ移籍する事が決まる。

クロスベルでの独断専行に対する処分も兼ねてのものだった。

その他にも、リィンのもとへ2人の来客が訪れる。

兄宛ての手紙を手渡しに来たエリゼ。そして、本校時代の先輩であるジョルジュだった。

彼とこれまでの出来事を話す中で、かつて“地精”と呼ばれた存在が、現在使っている名に見当をつける。

──《黒の工房》。

内戦でオズボーン宰相側につき、結社の『幻焔計画』を奪う手助けをした技術集団。

未だ謎の多いその工房について、それ以上の推測はできなかった。

自室に戻った後、エリゼから渡された手紙を読むリィン。

1通はユン老師からで、《八葉》の最後の弟子であるリィンを鼓舞する言葉が紡がれていた。

もう1通は、養父テオから。

“本当の父親”を知った息子へ、自身とオズボーンの古い付き合いについて綴られていた。

──翌日、新生VII組での小要塞攻略も順調にこなし、リィンはブリーフィングへ向かった。

発表された演習先はラマール州。2つの都市の他、オーレリアのかつての居城《ジュノー海上要塞》を抱えている。

出発日は瞬く間にやって来て、新たな地へ列車は走りだした。

演習地に到着したVII組は、現地責任者の待つ《海上要塞》へ向かう。

そこで再会したのは、統合地方軍の総司令を務めるウォレス准将。

《黒旋風》の渾名を持ち、内戦時にはオーレリアの右腕として十字槍を振るった人物だった。

行動を開始したVII組は、始めに海都オルディス近郊で用意された依頼をこなしていく。

その最中、海岸道の脇道で猟兵の集団を目撃し、退路を塞いで挟み撃ちにする。

旧VII組のユーシスとミリアムの加勢もあり、猟兵団は丘陵地帯の方角へ撤退していった。

ユーシスは『領邦会議』出席の為、ミリアムは情報局の任務を負って、それぞれ海都を訪れていた。

リィン達は彼らとひとまず別れ、猟兵達の動向を探るべく歓楽都市ラクウェルへ向かう。

情報収集が功を奏し、《ロック=パティオ》を調べる事に。

奥へ進んだ先で、紫の猟兵と、猟兵団《ニーズヘッグ》が交戦中の場に出くわす。

《ニーズヘッグ》側に見つかり、包囲されるVII組。

そこへ駆けつけた2人の女性。旧VII組の教官だったサラ。リィンの先輩であるアンゼリカ。

彼女達の凄まじい迎撃により、猟兵を退けるのだった。

古巣の遊撃士協会に戻っていたサラは、怪しげな動きの猟兵団を追っていた。

一方アンゼリカは、ログナー家の名代として『会議』に出席する為だと話す。

その夜、リィンはサラとアンゼリカだけを伴って、賑わいを見せるラクウェルを訪れる。

途中でクレアとも合流し、仕入れた情報をもとに猟兵団の動向を洗っていく4人。

現在、このラマール州には、結社と繋がる《赤い星座》、何者かに雇われた《西風の旅団》。

そして《ニーズヘッグ》と正体不明の紫の猟兵団の4つが入りこんでいる事が分かった。

引き続き情報収集を進めた結果、あの紫の猟兵は《北の猟兵》からの脱退組──

《北方戦役》で帝国に併合されたノーザンブリアの人間だと判明した。

──演習2日目。
新たな要請に対処していたところへ、ユーシスから通信が入る。

昨夜に出かけて行ったミリアムがまだ戻ってきておらず、連絡もつかない状況らしい。

リィン達は目撃情報を集めていくと、沖合いの《ブリオニア島》について彼女が調べていた事を知る

小型艇を借りて海を渡った一行は、ミリアムの痕跡を辿りつつ島に残る祭壇や遺跡を調べていく。

そして仕掛けられた謎を解き、《陽霊窟》を現出させたリィン達。

念の為にヴァリマールを待機させ、霊窟内に足を踏み入れた。

一本道を下り、最奥の空洞に辿り着く。そこには結社の《鉄機隊》と神機、囚われたミリアムの姿があった。

三隊士に立ち向かうVII組。彼女らがいよいよ闘気を高めた時、新たな転位陣が展開する。

現れたのは白銀の甲冑を纏った女騎士──《身喰らう蛇》が第七柱、《鋼の聖女》アリアンロードだった。

その存在自体が発する圧力に、リィンは躊躇なく騎神を召喚。

ところが神機が瞬間転位し、ヴァリマールは動きを封じられてしまう。

力を最大限に開放し、リィンは鬼化。武の至境に一騎打ちを挑む。

全身全霊をもって食い下がるが、自身を呑みこむ勢いで暴走する力に、リィンは絶叫する。

現実を突きつけるように、アリアンロードは生徒達めがけて騎兵槍を振りかぶった。

……そこへ、1羽の鷹が空洞内を横切るように飛来。

皆が気をとられた瞬間、長身の青年がリィン達を飛び越え敵の眼前に着地した。

旧VII組最後の1人、ガイウス。十字槍を振るい、悠然と対峙する。

ガイウスに“只人ただびと”ではない何かを感じとったアリアンロードは、三隊士と神機を連れ転位陣で退いた。

しかし安堵する間もなく、リィンの呼びかけに応じて《蒼》のジークフリードが姿を見せる。

仮面をつけたまま話にも取り合わない彼は転位術を発動してすぐに去ってしまう。

未だ謎は残るばかりだが、ミリアムの救出とガイウスとの再会を喜び、ひとまず皆でオルディスへ戻るのだった。

──演習3日目。
静寂に包まれた明け方の演習地を、凄まじい轟音が揺すり起こした。

遠雷のような砲撃音に動揺する生徒達。教官陣が指示を出す中、到着したレクターから状況を知らされる。

紫の猟兵が結社の力を借り、4基の列車砲を強奪。オルディス方面に砲撃をしていた。

そして発せられる要請オーダー。神機の出現にも備えるべく、リィンは新VII組を演習地に待機させる。

自身は、海都から駆けつけたガイウス達と、列車砲の置かれた北の峡谷へ向かうのだった。

待ち受ける紫の猟兵を退け、列車砲が設置された地点へ到達。

しかしそこでは、シャーリィと《赤い星座》の中隊、マクバーンにカンパネルラが控えていた。

味方側には遊撃士のアガットにトヴァル、分校の戦術科と機甲兵、それにウォレス准将が加勢する。

彼らに事情を聞いたリィン達は、風前の灯火となった“本丸”──《海上要塞》を目指しバイクを走らせた。

途中、新VII組と合流し要塞前に到着した一行。もはや陥落した状態で、天守閣には神機とアリアンロードの姿が見える。

先へ進もうにも、彼女に挑まんとする《西風の旅団》と《蒼》のジークフリードがリィン達を牽制。

ところが、かつての己が居城の危機にオーレリア分校長が飛行艦で駆けつけ……結果、猟兵王達からこの場を譲られる事に。

リィン達は主攻・副攻の二手に分かれ、ついに攻略を開始するのだった。

放たれた人形兵器を退けつつ、要塞内に仕組まれた仕掛けを解除し最上階を目指す一同。

先に天守閣へ到達したのは、リィン率いる主攻チームだった。

薄靄うすもやが漂い始めた中、兜を脱ぎ騎兵槍を構えるアリアンロード。昂ぶりを抑えるように微笑むオーレリア。

闘気がうねり、ついに死闘が始まった。

痛烈な一撃を繰り出し、容赦なく攻め立ててくる《鉄機隊》。

死力を尽くした戦いの末、敵味方とも膝をつく……
その中で、オーレリアは辛うじて立ち上がっていた。

大剣を収めるオーレリア。
この先は《巨イナル一》に関わる者の戦いだった。

騎神を召喚するリィン。共に飛来した2機の機甲兵に、アッシュとミュゼが乗りこむ。


“空間”を操る神機によって騎神の太刀の切っ先を消し取られるも、皆の絆の力が刃を形作ってくれる。

勢いを盛り返して反撃し、神機を完全に停止させるのだった。

敗北した女騎士達に、これまでの“実験”の真の狙いと、その先の目的を問うVII組。

しかしそれに答える事無く、アリアンロードは手を掲げ《アルグレオン》と名を呼んだ。

巨大なランスを持った白銀の“機影”は、神機を突き刺し破壊してしまう。

『──全ての “試し”の結果が出ました。』

『その刻は近い──それぞれ、 答えを出しておくとよいでしょう』

アリアンロードはそう言葉を残し、《アルグレオン》に乗って転位。三隊士も追うように姿を消した。


──峡谷地帯を鎮圧し、要塞へ帰還したウォレスの指揮の下、瞬く間に混乱は収束していく。

そして、その夜の『領邦会議』。

ユーシスやオーレリアに見守られ、貴族諸侯の満場一致で次期カイエン公に推挙された娘──

現公爵が姪、公女ミルディーヌ。
ミント髪を揺らす彼女は、帝国政府に関するある議題を提示した。

──翌日。
見送りに来た面々と、別れの挨拶を交わすリィン達。

新たな機影に、アリアンロードの言葉。これまで以上に備える必要がある事を皆が予感した。

いよいよ近づく旧VII組の“約束”の日を待ちわびつつ、激闘の地を後にするのだった。